[Scab Coral]
  1. 惑星の大地であるカサブタ状の地形と、隆起・突出してサンゴ状になった地形・物体の総称。本キーワードで記述。
  2. 作品劇伴のひとつ。「交響詩篇エウレカセブン ORIGINAL SOUNDTRACK 1」DISC 2/#06収録。
[:contents]

概要

Scabは〈かさぶた〉、Coralは〈サンゴ〉の意。スカブ。

形成とともにトラパーを放出。地表は地殻変動を起こして、時に大塔を飲み込むほどの災害を起こす。火炎放射器やパイルバンカーでスカブの大地を固定することで被害を防止する試みがなされているが、抑え込むことが逆に地殻変動を活発化させているという見解もある。

形成されたスカブのうち板状のものをスカブスレート(スカブプレート)といい、ある程度安定していると地盤として上に建物を建てたり、屋根などの建材として利用できる。

惑星を覆っており、地下には高さ8000メートル前後の空洞が存在している。穴を開けても地殻変動ですぐに塞がるため、グレートウォールを通る以外の方法では外殻から内部に入ることは難しい。

ヴォダラクの信仰対象のひとつ。

生物としてのスカブコーラル

スカブは〈コーラリアン〉と呼ばれる情報生命体の一形態であり、別名である。内包する無数の知性体の覚醒によって、エネルギーや重力などあらゆる物理法則を捻じ曲げる力を持つ。特殊な生態から一般には生物であると認知されていなかったが、アドロックは研究の末「スカブコーラル知性体仮説」を提唱し、グレッグやアゲハ構想を引き継いだデューイなども支持していた。

2000年ごろ、ロケット「EUREKA(EURECA)」との衝突を経て地球の海に飛来。最初に融合したのはサンゴであるが、どの段階で生命が発生したかは定かでないとされる。他の生命とのコミュニケーションを試みて、地球の生物と融合を繰り返して増殖。地表すべてを覆うまでの大きさに成長した。

スカブを脅威と捉えた人類の一部は恒星間移民宇宙船(キボートス)を建造し地球を脱出。融合しつくして孤独を知ったスカブは、数千年後に帰還してきた人類と効率的なコミュニケーションをとるため、また共存の可能性を検討するため人型のコーラリアンを生み出した。

観察の結果得た情報と記号化した情報を集積する中心核、司令クラスターを持つ。体内で天文学的数に膨れ上がった知性体の数を抑制し、クダンの限界を避けるために通常は休眠状態にあり、外からの攻撃には抗体コーラリアンを反射的に放出し自己防衛を行う。

オラトリオNo.8によって司令クラスターを破壊され、さらに代理司令クラスターから自壊プログラムを送られかけるも、エウレカとレントンの行動からコーラリアンと人類の共生の道を信じることを決断。諸問題を避けるため融合した人類の一部と半分のスカブは地球を離れ、別宇宙に飛び立った(セカンド・サマー・オブ・ラブ)。
関連
  • アーキタイプ
  • スカイフィッシュ
  • グレートウォール

[ao]

無数の光輪を伴った光の柱を前兆として上空から出現する物体。内部にクォーツを持ちエネルギーを蓄積。スカブバーストや出現したシークレットとの融合爆裂を起こす危険性をはらむ。放出されるトラパーはエネルギー・交通など様々な面で世界に恩恵をもたらしている。

数百年前から世界各地に出現しているが、一度出現した地点に再び出現することはないとされる。形はサンゴに相似。パイルバンカーや大塔などの人工物が含まれていることがある。

セカンド・サマー・オブ・ラブで離脱した半分のスカブコーラルである。残りの大地を覆っていたスカブも消失現象が始まっており、レントンとエウレカが調査にあたっていた。スカブ自身は人類との新たな対話のために転移してきているという。

クダンの限界を避けるための並行宇宙跳躍願望からクォーツを獲得。シークレットから逃れるためアオの宇宙の過去の時代に遡って分散していた。

人間の身体の白血球と気管部に感染・成長し呼吸障害を引き起こす症状が発生している。感染者はコーラル・キャリアと呼ばれる。
関連
  • プラントコーラル

概要[he]

宇宙から地球に飛来した情報生命体。地表を覆いつくし抗体コーラリアンを発生させ人類を圧倒している一方で、人型コーラリアン・エウレカを作り出している。ネクロシス作戦で司令クラスターを攻撃されてマルチプライズを起こすが、決戦弾頭シルバーボックスがクォーツ化したことで再び休眠状態に入る。

10年後、クォーツ化したシルバーボックスはエウレカがレントンを現実化するために使っており、使用するたびに並行宇宙の「エウレカ」と呼ばれるスカブを増殖させている。「エウレカ」のスカブには内部に情報空間(スカブ宇宙)があり、ダイブするとシルバーボックスが再生しているエウレカの夢へとつながっている。

NOTE

作品制作にあたってプロデューサー・南雅彦から提示されたテーマの〈コンピューター〉に相当する要素であると考えられる。ポケ虹では「イマージュ」と呼ばれている。

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1985年にグレッグ・ベアが発表した小説『ブラッド・ミュージック [Blood Music]』をもとにした設定が多い。一人の遺伝子工学者が生み出した感染増殖する知性を持った細胞〈ヌーサイト〉が、人々の体を形質転換させながら北米を覆い尽くしていくSF。作中ではヌーサイト内にある〈思考宇宙〉「司令クラスター」という構造や、クダンの限界に相当する知性体の観察過剰による領域の崩壊を理論づけた情報力学、謎の動物や浮遊体の出現、グレートウォールをイメージさせる竜巻のビジュアル、感染することで身体能力が向上する様子などが示されている。

恐らく関係ないが、1923年にケネス・ウォーカーが発表した児童文学『箱舟の航海日誌 [The Log of the Ark]』では、ノアの箱舟に乗り込んだ動物としてスカブという名の架空の動物が登場する。

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